
フリーデマン・フリーゼ(Friedemann Friese)という名前を聞いたことがあるでしょうか?
ドイツが生んだ鬼才とよばれるボードゲームデザイナーで、ひときわ異彩を放つ革新的な作家です。
「緑色に染めた髪の毛」、「緑色のパッケージのゲーム」、「Fから始まるタイトル」。
そのどれもが、実にユニークで、一度見たら忘れられない、強烈なインパクトを残しています。
今回、フリーデマン・フリーゼ氏を代表作とともにご紹介します。
この記事を読み終わった頃には、鬼才と呼ばれる理由がわかり、そのインパクトが、記憶に深く刻まれることでしょう。
フリーデマン・フリーゼ(Friedemann Friese)
1970年ドイツ生まれ。ボードゲーム界で、ひときわ異彩を放つ革新的なデザイナー。
デザイナー界の3K(ヴォルフガング・クラマー、クラウス・トイバー、ライナー・クニツィア)が取り沙汰されるなか、自身の出版社「2Fシュピール」から独創的な作品を発表し、新たな風を吹かせている作家。
緑色に染めた髪の毛と、それに合わせた緑色のパッケージのゲームがトレードマーク。
本人の見た目だけでなく、フリーデマン・フリーゼ氏がデザインするゲームは、奇抜なアイデアが詰まっている。
代表作は、「電力会社(Funkenschlag)」、「ファウナ(Fauna)」、「看板娘(FISCHE FLUPPEN FRIKADELLEN)」、「5本のきゅうり(Fuenf Gurken)」、「フルーツジュース(Fabled Fruit)」、「ファミリア(Famiglia)」など実に多数。
また、ゲームタイトルの頭文字をFにすることでもおなじみ。
フリーデマン・フリーゼ氏
トレードマークの緑パッケージ。色だけでデザイナーが分かるのが面白い。
電力会社(Funkenschlag)
フリーデマン・フリーゼ氏の大傑作といえば、2004年に発売された「電力会社」。
火力、風力、原子力などの発電施設を作り、電力会社の利益をあげるのが目的です。
競り要素、早いものがちの陣取り要素、拡大再生産要素と重要かつ、魅力的な要素の詰まった作品。
そして、すべての要素が絶妙に絡み合うのが特徴。
原題:Funkenschlag | 作者:Friedemann Friese | 発売年:2004年 |
人数:2~6人 | fa-clock-o時間:120分 | fa-user-plus年齢:12歳~ |
5本のきゅうり(Fuenf Gurken)
「5本のきゅうり」は、1~15の数字と、1~5本のきゅうりが描かれたカードを用いて遊ぶカードゲーム。
配られた7枚のカードを1枚ずつプレイしていくトリックテイキングで、6本以上のきゅうりを取ってしまったら負けとなります。
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ゲームは7ラウンド繰り返しますが、最も重要なのは7ラウンド目。
7ラウンド目に、最も大きな数字を出してしまった人が、そのカードに書かれたきゅうりの本数分のきゅうりコマを受け取らなければなりません。
1~6ラウンドは、最終7ラウンド目のための前座と言ってもいいでしょう。
もともと伝統的なゲームをベースにアレンジ作られているようで、単純明快な面白さがあります。
原題:Fuenf Gurken | 作者:Friedemann Friese | 発売年:2013年 |
人数:2~6人 | fa-clock-o時間:25分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
フルーツジュース(Fabled Fruit)
「フルーツジュース」は、果物カードを集めてジュースを作るワーカープレイスメントゲームです。
場の動物カードに書かれたアクションを行っていき、手札に規定枚数の果物カードを揃えるとフルーツジュースを作ることができます。
最初に決められた分のジュースを作った人が勝者となります。
ここまで読んで、「鬼才と呼ばれるフリーゼも意外と単純なゲームを作るんだな」
と思った方、大間違いです。先程の説明は、あくまで1ゲームの流れです。
フルーツジュースでは、このゲームを何度も繰り返します。そして、メインはここから。
フルーツジュースでは、前回の状態を残したまま次のゲームを開始する「レガシーシステム」を採用しています。
場の動物カードは、初期状態では6種類ですが、一度ジュース作りに使用した動物は次ラウンド以降使用できなくなり、その代わりに、山札から新たな動物が補充されます。
つまり、ゲームを繰り返すに伴い、どんどんアクションが増えていきます。
フルーツジュースでは、動物カードが全部で約60種類もあります。
そして、このゲームは、全ての動物カードを使い切った時点で勝者が決まります。
これは時間にして、なんと10時間以上。とんでもないゲームをデザインしてくれたもんですね。
現実的には、ルールをアレンジして、途中で区切って遊ぶのが良いと思います。
原題:Funkenschlag | 作者:Friedemann Friese | 発売年:2016年 |
人数:2~5人 | fa-clock-o時間:20~30分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
ファミリア(Famiglia)
「ファミリア」は、マフィアのボスとなり、仲間をスカウトし、組織を作っていく2人用のカードゲームです。
最終的にカードの名声ポイント(点数)で競います。
マフィアには4グループあり、色で示されています。グループにより、特殊能力があったり、勝利点の高低が異なっています。
また、カードにはランクがあり、0~4のランクがあり、上のランクのカードをプレイするためには、下のランクが2枚必要となります。
0ランクから初めて、順に高いランクのカードをプレイできるようになっていく仕組みです。
このゲームの魅力は、マフィアの特殊能力を上手く使って、効率よく構成員を増やしていくところ。
奇抜な演出こそありませんが、正統派で完成度が高く、二人でじっくり遊ぶには非常にオススメのゲームです。
原題:Famiglia | 作者:Friedemann Friese | 発売年:2010年 |
人数:2人 | fa-clock-o時間:30分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
ファウナ(Fauna)
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「ファウナ」は、カードに書かれたマイナーな動物の生息地、体重、体長などを当てるクイズゲームです。
ですが、単に知識量を問うようなゲームではありません。
回答は、予想した答えのマスに賭けコマを置くことで行うため、ギャンブルゲームの要素を含み、単なるクイズゲームとは一線を画しています。
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動物好きが楽しめるのはもちろんのこと、全く知識がなくても、ヒントから推測し、賭け方を工夫することで勝負になるのが面白い。
動物クイズのイメージが先行していますが、優れた得点システムにより、戦略性がある秀逸なクイズゲームです。
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原題:Fauna | 作者:Friedemann Friese | 発売年:2008年 |
人数:2~6人 | fa-clock-o時間:45~60分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
暗黒の大広間(Fearsome Floors)
「暗黒の大広間」は、恐ろしいモンスターが徘徊する大広間からの脱出を目指すゲーム。
4つのコマのうち3つを最初に脱出させたプレイヤーが勝利です。
モンスターは、一歩毎に前・右・左を見回して最も近いコマに向かって、機械的に動きます。
石の影に隠れていても、石を押してきて挟まれてしまったり、壁をすり抜けてきたりと、気が抜けません。
映画の世界さながらのモンスターの迫力をここまで上手く表現できるのは流石。
なお、日本語版は出ていませんが、特に言語依存するゲームではないため、問題なく遊べます。
原題:Fearsome Floors | 作者:Friedemann Friese | 発売年:2003年 |
人数:2~7人 | fa-clock-o時間:60分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
フリーデマン・フリーゼ氏のおすすめゲームランキング

- フリーデマン・フリーゼ氏の大傑作!
- 火力、風力、原子力などの発電施設を作り、電力会社の利益を上げるゲーム。
- 競り要素、早いものがちの陣取り要素、拡大再生産要素と重要かつ、魅力的な要素の詰まった作品。
- 追加マップの種類も豊富。マップによって、情勢や特徴が異なるため、いろいろな戦略を練る楽しさがある。
- 勝つためには長期的な戦略が必要で、奥が深いゲーム。
- 人気ゲームのため、在庫があるうちに入手しておくのがベター。

- カードに書かれたマイナーな動物の生息地、体重、体長などを当てるクイズゲーム。
- 単に知識量を問うようなゲームではなく、ギャンブルゲームの要素を含むため動物のことを知らなくでも大丈夫。
- 動物好きが楽しめるのはもちろんのこと、全く知識がなくても、ヒントから推測し、賭け方を工夫することで勝負になるのが面白い。
- 優れた得点システムにより、戦略性がある秀逸なクイズゲームです。

- 果物カードを集めてジュースを作るワーカープレイスメントゲーム。
- 場の動物カードに書かれたアクションを行い、手札に規定枚数の果物カードを揃えるとフルーツジュースを作ることができる。
- 前回の状態を残したまま次のゲームを開始する「レガシーシステム」が特徴。
- ゲームを繰り返すに伴い、どんどんアクションが増えていくのが醍醐味。
- 動物カードが全部で約60種類もあり、時間にして、なんと10時間分以上も遊べる。
フリーデマン・フリーゼ氏のゲームをプレイしよう!
今回は、ドイツが生んだ鬼才「フリードマン・フリーゼ」氏を、その革新的な作品とともに紹介しました。
「緑色に染めた髪の毛」、「緑色のパッケージのゲーム」、「Fから始まるタイトル」。
どれもがとてもユニークで、一度見たら忘れられない、強烈なインパクトを残したのではないでしょうか?
次に、緑色で、Fから始まるタイトルの作品を見たら、遊ぶ前からデザイナーがわかりますね。
この記事で紹介しているゲーム
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