ドイツのボードゲームデザイナー「ウヴェ・ローゼンベルク(Uwe Rosenberg)」を知っていますか?
ローゼンベルク氏は、ボードゲームの歴史に大きな影響を与えた名作「アグリコラ」の作者として広く知られるデザイナーです。
他にも、「収穫三部作」と呼ばれるワーカープレイスメントゲームや、「パッチワーク」といったパズルゲームなど、多くの名作を世に送り出しています。
今回は、そんなウヴェ・ローゼンベルク氏を代表作とともにご紹介します。
ウヴェ・ローゼンベルク(Uwe Rosenberg)
1970年にドイツで生まれたボードゲームデザイナー。
12歳頃から、ボードゲームのデザインを始めた。最初のヒット作は「ボーナンザ」。
2007年に発売した「アグリコラ」は、ゲーマーズゲームでありながら、ドイツ年間ゲーム大賞の複合ゲーム賞、ドイツゲーム賞を受賞し、累計40万個以上売れるというボードゲーム史に残る歴史的な傑作となった。
なお、アグリコラは、ローゼンベルク氏の収穫三部作の第一作であり、2008年には「ル・アーブル」、2009年には「洛陽の門にて」と、3年連続でデザインしている。
その他の代表作は、「パッチワーク」、「オーディンの祝祭」、「マンマミーア」、「カヴェルナ」など多数。
アグリコラ以前は、カードゲームがローゼンベルク氏の代名詞だったほど、魅力的な作品が多い。
また、ローゼンベルク氏のゲームは、ソロプレイ可能なゲームが多いことも魅力の一つ。
ウヴェ・ローゼンベルク氏
アグリコラ (Agricola)
ウヴェ・ローゼンベルク氏を代表する一番の大傑作がこの「アグリコラ」。
約300枚の特殊カードからの14枚のドラフト、カツカツでシビアな食料供給。
のどかな農場のイメージからは程遠い重量系ゲームですが、蓋を開けてみれば、世界各国で受賞多数の大ヒット。
後のボードゲーム界に大きな影響を与えました。
ゲームは、食料を調達しつつ、木材を集めて塀を作り、家畜を飼ったり、
レンガや石を集め、かまどを作って、食料を作ったりする農家の生活を再現しています。
木材や葦(あし)を集めて、部屋を増改築したりして、家族を増やすこともできます。
立派な農場を構築したプレイヤーの勝利となります。
アグリコラの魅力はなんと言ってもカード同士のコンボ。
豊富なカードを組み合わせて、自分だけの食料基盤や得点源を作って、ライバルを抑えましょう。
2019年現在では、リバイズドエディションや、ファミリーエディションなどが発売されており、ゲーマーのみならず、広く親しめるようになっています。
ちなみに、ローゼンベルク氏は、アグリコラ以降、重めの拡大再生産系やリソースマネジメント系のゲームを多く出版するようになりました。
もっと知りたい!
アグリコラのルールや魅力は「中上級者にオススメの名作ボードゲーム!「アグリコラ」のルールや魅力をご紹介」で紹介しています。
また、アグリコラを攻略するためのコツを知りたい人は「初心者泣かせの「アグリコラ」を攻略するためのコツを解説!」をどうぞ。
初心者が上達し、勝つための考え方、覚えておくだけで強いカードや定番コンボを解説しています。
原題:Agricola | 作者:Uwe Rosenberg | 発売年:2007年 |
人数:1~5人 | fa-clock-o時間:120分 | fa-user-plus年齢:12歳~ |
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パッチワーク (Patchwork)
パッチワークは、ローゼンベルク氏の2人対戦用ゲーム。
見た目がとても可愛らしいパズルゲーム。
ですが、中身は戦略要素がたっぷり詰まったガチゲーです。
自分のボードにパッチピースを上手く埋めていき、きれいなパッチワークを作ることを目指します。
このゲームの特徴は、ピースを買うためには「お金」だけでなく、「時間」もかかる点。
手番は交互ではなく、時間をたくさん持っているプレイヤーのターンとなるため、ピースの購入にも考えを巡らせる必要があります。
運要素を含まないゲームであり、初心者からゲーマーまでが遊べる良いゲームです。
原題:Patchwork | 作者:Uwe Rosenberg | 発売年:2014年 |
人数:2人 | fa-clock-o時間:30分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
ボーナンザ (Bohnanza)
ボーナンザは、豆を集めて、畑で育て、収入を得るゲームです。
いんげんや大豆など、8種類の豆の中からなるべく同じ種類を多く揃えるほど高値で売ることができます。
でもなかなか簡単には揃いません。
そこで、このゲームでは、他プレイヤーと交渉し、豆を交換することができます。
他プレイヤーが求めている豆は、大抵の場合、自分は不要で手放したいため、常にwin-winな交渉となります。
他のゲームの交渉と異なり、「平和な交渉」が楽しめるのが、ボーナンザの魅力のひとつです。
1997年に発売されたこのゲームは、ウヴェ・ローゼンベルク氏の最初のヒット作であり、農業系ゲームの原点。
ぜひ体験あれ。
原題:Bohnanza | 作者:Uwe Rosenberg | 発売年:1997年 |
人数:3~5人 | fa-clock-o時間:45分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
オーディンの祝祭 (A Feast for Odin)
「オーディンの祝祭」は、武装船団ヴァイキングたちの生活をテーマにしたワーカープレイスメントゲーム。
家畜の繁殖や狩猟に加え、略奪や襲撃などヴァイキングらしいアクションから選んで行動し、最終的な勝利点を競います。
「オーディンの祝祭」では、獲得したタイルの配置も重要です。
自分のボード上にタイルを並べていくのは楽しい一方で、ものすごく悩ましい。
パズル要素がゲームの面白みを引き立てています。
コンポーネントの種類も多彩で豊富。
ゲーマーならワクワクすること間違い無しのおすすめ重量級ゲームです。
原題:A Feast for Odin | 作者:Uwe Rosenberg | 発売年:2016年 |
人数:1~4人 | fa-clock-o時間:30~120分 | fa-user-plus年齢:12歳~ |
マンマミーア(Mamma Mia!)
重量級ゲームのイメージが強いローゼンベルク氏ですが、もともとは、工夫をこらしたカードゲームが得意なデザイナー。
ピザの具材を集めて、たくさんのピザを作るカードゲーム「マンマミーア」もその一つです。
具材が書かれたカードを順番に出していき、レシピの具材が揃ったと思ったら、その時点で先着でレシピカードを仕込みます。
これを繰り返し、仕込みが終わったら、次はレシピ通りにできているか確認。
めくった具材と自分の手札の具材でレシピが揃っていればピザが完成し、自分の点数となります。
場に出た具材の記憶力ゲームかと思いきや、不足分を手札で追加できるため、思いの外、駆け引き要素が強いゲーム。
他の人が出したレシピカードが失敗すると予想し、直後にレシピカードを仕込むのも面白い。
原題:Mamma Mia! | 作者:Uwe Rosenberg | 発売年:1998年 |
人数:2~5人 | fa-clock-o時間:30分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
カヴェルナ:洞窟の農夫たち(Caverna: The Cave Farmers)
「カヴェルナ」は、2013年に発売された、アグリコラの続編的なゲーム。
プレイヤーは、洞窟で暮らすドワーフ一族のリーダーとなり、農場の発展を目指します。
個人ボード左側に農場、右側にドワーフが暮らす洞窟を発展させていきます。
アグリコラでは、部屋はワーカーを増やすのと、最後の点数で使用していましたが、カヴェルナでは、部屋からもルビーや勝利点、食料効率アップなど、様々な効果が得られます。
職業カードがなくなった分の追加要素ですね。
また、食料供給もアグリコラほどキツくなく、農場や部屋の構築に専念できる印象です。
アグリコラのカツカツ間が好みではない方は、カヴェルナがしっくり来るかも知れませんね。
二人対戦用とその拡張もあります。
アグリコラ好きな方は、ぜひカヴェルナもやってみると良いでしょう。
原題:Caverna: The Cave Farmers | 作者:Uwe Rosenberg | 発売年:2013年 |
人数:1~7人 | fa-clock-o時間:30~210分 | fa-user-plus年齢:12歳~ |
二人用
ウヴェ・ローゼンベルク氏のおすすめゲームランキング
- 一家で農場を作り上げるゲーム。家畜や畑などで家族の食料をまかないつつ、発展させていき、最終的に農場の点数で勝負。
- 2008年にドイツ年間ゲーム大賞“複合ゲーム特別賞”をはじめ、多くの賞を獲得。また、ボードゲームギークで首位になるなどした伝説的な名作。後のボードゲーム界に大きな影響を与えた。
- 約120分かかる重量級ゲームで、1〜5人でプレイでき、かなりの満足感が得られる。
- 家族の食料が不足しないよう、効率のよい食料基盤を考えたり、木やレンガなどの資源を余すことなく有効に使う方法を思案したりと、考えることが多いのが魅力です。
- 約300種類の特殊カード(小進歩、職業)を使用するベーシックゲームでは、ゲームの自由度が更に広がり、戦術やコンボを見つけ出す楽しさが加わる。
- 戦略要素たっぷりの本格2人用パズルゲーム。
- 同時に、見た目が可愛らしく、多くの人に親しまれる。
- 自分のボードにパッチピースを上手く埋めていき、きれいなパッチワークを作ることを目指す。
- ゲームの特徴は、ピースを買うためには「お金」だけでなく、「時間」もかかる点。手番は交互ではなく、時間をたくさん持っているプレイヤーのターンとなるため、ピースの購入にも考えを巡らせる必要があり、面白い。
- 30分程度で決着するため、繰り返し遊べる良ゲーム。
- ボーナンザは、豆を集めて、畑で育て、収入を得るゲーム。
- いんげんや大豆など、8種類の豆の中から、なるべく同じ種類を多く揃えるほど高値で売れる。
- 他のゲームの交渉と異なり、「平和な交渉」が楽しめるのが、ボーナンザの魅力のひとつ。他プレイヤーが求めている豆は、大抵の場合、自分は不要で手放したいため、常にwin-winな交渉となるのが面白い。
- 1997年に発売されたこのゲームは、ウヴェ・ローゼンベルク氏の最初のヒット作であり、農業系ゲームの原点。遊んでみる価値がおおいにある名作。
ウヴェ・ローゼンベルク氏のゲームをプレイしよう!
今回は、ドイツのボードゲームデザイナー「ウヴェ・ローゼンベルク(Uwe Rosenberg)」氏を代表作とともにご紹介しました。
アグリコラや収穫三部作とはじめとするワーカープレイスメント系ゲームから、カードゲーム、パズルゲームなど、幅広い名作を創り出しており、非常に魅力的なデザイナーの一人です。
ぜひ、ローゼンベルク氏のボードゲームをプレイしてみてくださいね。
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