海外で人気の「日本文化や歴史」が学べるボードゲーム7選

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我々が生まれ育った国「日本」は、島国であることもあり、様々な独自文化が発展してきました。

日本人にとっては、当たり前に感じている文化や歴史も、海外の人から見ると珍しく映るものも多く、日本のカルチャーは大変人気があります

そして、それを裏付けるように、日本の文化や歴史をテーマとしたボードゲームは、国内外から多数出版されています。

 

今回、多数出版される日本文化をテーマとしたボードゲームの中から、7つのテーマ・ボードゲームをピックアップしました。

ボードゲームで遊びながら、日本の文化や歴史に関する教養を身につけちゃいましょう!

 

枯山水 / 枯山水(Stone Garden)

まずは「枯山水」の基礎知識から!

「枯山水」とは、日本庭園の様式の一つです。
水(池や川)を用いず、石や砂などで自然の景観を表現することが特徴で、鎌倉時代から室町時代にかけて広く発展した様式。
主に、砂や小石で、水の流れや水面を表現し、岩や苔で山や陸地を表現することが多いです。

枯山水を用いた庭園は、日本全国にありますが、やはり京都には素晴らしい庭園が多いです。
中でも「龍安寺(りょうあんじ)」や「建仁寺(けんにんじ)」、「仁和寺(にんなじ)」などは特に有名です。

「枯山水」をボードゲームで味わおう!

「枯山水」は、山田空太氏による日本庭園をテーマにしたボードゲーム。
各プレイヤーが禅僧となり、オリジナルの日本庭園を作り、その美しさで得点を競います。
そのユニークな世界観からSNSなどで話題を呼び、ボードゲームの新たな可能性を開拓した国産ゲームですね。

プレイヤーは、砂紋や苔などが描かれたタイルを集めて、庭園を作っていきます。
庭に設置する石は、座禅などのアクションにより入手することができます。
また、雪舟や千利休などの庭師(?)が強力なカードとなって登場するもの面白いですね。

原題:枯山水 作者:山田 空太 発売年:2014年
時間:75分 年齢:10歳~
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ニューゲームズオーダー(New Games Order)

 

 

東海道 / 東海道(Tokaido)

まずは「東海道」の基礎知識から!

東海道とは、江戸の日本橋から、京都の三条大橋までに至るまでの街道です。
距離にすると約500kmほどあり、途中には53の宿場がありますが、これが、東海道五十三次です。

東海道には、箱根峠や鈴鹿峠など、多くの難所がありますが、中でも、静岡県静岡市の薩埵峠(さったとうげ)は、非常に美しい景観の難所でした。
薩埵峠から見える富士山はとても美しく、歌川広重は、東海道五拾三次「由比宿」で、その難所と富士山の美しさを表現しています。

当時は、日本橋から三条大橋まで徒歩で約2週間ほどかけて移動したようで、1日約30kmも歩く計算になります。
途中の宿屋や景観に心癒されたに違いないでしょう。
現在でも、当時の宿場町の景観が残っている箇所が多くあります。是非訪れてみたいものですね。

「東海道」をボードゲームで味わおう!

「東海道」では、プレイヤーは旅人となり、タイトル通り、東海道を通って、京都から江戸を目指します

その途中で、お土産や景色を集めていきます。何とも風情のあるゲームです。

東海道はすごろく系ゲームですが、サイコロは使用しません。

常に後ろにいるプレイヤーがどこまででも進む事が出来ます。

各マスは早いもの勝ちで埋まるので、先に止まりたいところですが、早く進みすぎると勝利点が集められないので、悩ましい。

 

    また各プレイヤーが操るキャラクターには特殊能力があります。例えばお土産を安く買えるなど。

    いろいろなキャラクターを使いたくなりますね。

    東海道も複数の拡張が発売されています。

    また、デラックス版はキャラクターのフィギュアが豪華で、ゲームの世界観に入り込めますね。

     

    原題:Tokaido 作者:Antoine Bauza 発売年:2012年
    時間:45分 年齢:8歳~

    花火 / 花火(Hanabi)

    まずは「花火」の基礎知識から!

    日本の夏の風物詩といえば、やっぱり「花火」。
    日本では、古くから花火に馴染みがあります。
    少なくとも戦国時代には鉄砲や火薬とともに、日本に伝来しており、江戸時代には、花火は大人気だったようです。

    江戸では、二大花火師「玉屋」「鍵屋」が、競い合うように花火を打ち上げ、人気を分け合っていました。
    美しい花火が上がったときの掛け声「たまや~!」「かぎや~!」は、ここから来ているのですね。
    その名残は、現在の「隅田川花火大会」に残っています。

    花火が盛んなのは、江戸だけではありません。
    大曲の花火(秋田県大仙市)」、「土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)」、「長岡まつり大花火大会(新潟県長岡市)」は、日本三大花火大会として有名です。
    花火は日本各地で古くから親しまれており、日本人の心に響く存在だったのですね。

    「花火」をボードゲームで味わおう!

    花火(Hanabi)」は、プレイヤーたちは花火師となり、ごちゃごちゃになってしまった打ち上げ予定の花火を順番に打ち上げる協力ゲーム。

    花火では、プレイヤーは自分の手札が見えず、他プレイヤーがヒントを出し、七並べの要領で、順番にカードを出していきます。

     

    意思疎通がうまく行ったときは、みんなで一緒に盛り上がれる楽しいゲームです。

    簡単で軽めで、以心伝心が楽しいため、家族や友達とのプレイがおすすめ。

    「花火」は、カードゲームかつ協力型ゲームでありながら、ドイツ年間ゲーム大賞を受賞しました。

    この事実は、世界中のボードゲームを驚かせました。

    日本版は、缶に入っているのも個人的には嬉しい。

    原題:Hanabi 作者:Antoine Bauza 発売年:2011年
    時間:30分 年齢:8歳~
    カードゲーム 花火/HANABI 日本語版(再販)[ホビージャパン]《08月予約》

    富士山 / 富士 -脱出-(Fuji)

    まずは「富士山」の基礎知識から!

    富士山は、静岡県と山梨県の間にそびえる活火山で、日本で一番標高の高い山です。

    その標高は3776mであり、日本2位の北岳(3193m)よりも500m以上もの差をつけての1位となっています。

     

    富士山は、単に標高が高いだけでなく、独立峰であり、非常に優美な姿であることから、日本の象徴的な存在です。

    富士山の美しさを説明する特徴の一つは、左右対称の円錐型にあるでしょう。

    これは、同じ火口から、複数回の噴火が起こったことでできる「成層火山」であるためです。

     

    地上から見る富士山も美しいですが、富士山から見る景色が素晴らしいのは言うまでもありません。

    日本で一番高い場所からの長めは、まさに絶景なのでしょう。

    また、富士山は古来から、神が宿る山と神聖視されていました。

    特に、富士山を神体山として祀る富士山本宮浅間大社は、富士信仰の中心となっています。

    2013年には、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として、ついに世界文化遺産に登録されました。

    日本では17件目の世界遺産となっています。いつまでも美しい富士山を保ちたいですね。

    「富士山」をボードゲームで味わおう!

    富士 -脱出-(Fuji)」は、参加プレイヤーが富士山の調査隊となり、噴火する富士山からの脱出を目指す協力ゲーム。

    各プレイヤーは、それぞれが目隠しの向こう側でダイスを振り、移動したいマスを宣言します。

    両隣のプレイヤーよりも大きければ、移動できますが、具体的な出目に関しては、口に出してはいけません。

    我先に、と逃げようとすると足を引っ張り合ってしまうのが難しいところ。

     

    コンポーネントは、アーティスティックな感じです。

    ダイスの目隠しに、ターンの流れが書かれているのでわかりやすいですね。

     

    本ゲームのデザインは、「ガンシュンクレバー」や「ザ・マインド」で有名なヴォルフガング・ウォルーシュ。

    本作もセンスあふれる作品に仕上がっています。
    原題:Fuji 作者:Wolfgang Warsch 発売年:2018年
    時間:30~60分 年齢:10歳~

     

    侍 / サムライ・ボードゲーム(Samurai)

    まずは「侍」の基礎知識から!

    侍とは、「さぶらう」から転じた言葉で、主君のそばに仕える者のこと。つまりは「お役人さん」を指しています。

    似た言葉に「武士」があります。こちらは、武を以て生きていますが、必ずしも偉い人に仕えているとは限りません。

    現代では、侍は武士とほぼ同じ意味で使われるケースが多いですが、このように違いがあります。

     

     

    侍が登場したのは平安時代です。そこから、鎌倉時代、室町時代を経て、少しずつ定義が変わっていきました。

    戦国時代では、いくさで戦う者の事を侍と呼ぶようになりました。

     

    ところで、「サムライ」が海外で人気なのは、黒澤明監督の「七人の侍」の影響や、

    「武士道」という海外ではあまり見られない精神が外国人の心をつかんでいるようです。

     

    「侍」をボードゲームで味わおう!

    サムライ・ボードゲーム(Samurai)」は、ボードゲームデザイナー界の巨匠「ライナー・クニツィア」氏が日本を舞台にして作ったボードゲーム。
    サムライ精神をテーマとしたタイル配置系のゲームです。

    このゲームにおいて、サムライの3つの力の源は、田畑、仏像と兜で表されます。
    各プレイヤーは、武将となり、日本地図上の各都市への自分の影響力を競って、兜や田畑や仏像を獲得していきます。

    和風テイストのアートワークが妙にそそるゲームです。

    盤面の日本地図に突っ込みどころがあるのもご愛嬌。

    原題:Samurai 作者:Reiner Knizia 発売年:1998年
    時間:45分 年齢:12歳~

     

    忍者 / 忍者刀 (Ninjato)

    まずは「忍者」の基礎知識から!

    忍者とは、主に室町時代~江戸時代頃、身を忍んで、諜報活動や特殊な術を用いて戦に参加していた人やその集団のことです。

    平たく言うならば、昔のスパイですね。

    忍者が用いる忍術には様々なものがありますが、「分身の術」、「変わり身の術」、「隠れ身の術」、「土遁の術」などが有名です。

    これらの術は、敵から逃げたり隠れる術が中心なことからも、忍者は「スパイ」に近いことがわかりますね。

     

     

    ちなみに、忍者で有名な地域といえば、伊賀(三重県伊賀市)と甲賀(滋賀県甲賀市)です。

    「伊賀の忍者」と「甲賀の忍者」というと、ライバル関係のイメージがありますが、実際は友好的な関係だったようですよ。

     

    「忍者」をボードゲームで味わおう!

    忍者刀 (Ninjato)」は、プレイヤーが忍者となり、宝物を盗んで勝利点を競うワーカープレイスメント系のゲームです。

    舞台は、12世紀の日本。源氏と平家の二大派閥が争っていた時代です。

     

    忍者刀では、三人の忍者を操り、アクションを行っていきます。

    そして、ワーカーコマは、この大きな手裏剣。このゲームのトレードマークとなっています。

     

    忍者が暗躍した12世紀当時の雰囲気を存分に味わえるアートワークも魅力的なゲームです。

     

    原題:Ninjato 作者:Dan Schnake, Adam West 発売年:2011年
    時間:60分 年齢:12歳~

    能登半島(石川県)/ ごいた(Goita)

    まずは「能登半島」の基礎知識から!

    能登半島は、日本海側で、最も突出した面積の広い半島であり、その特徴的な地形から魅力あふれる地域です。

    海岸線側は、断崖や岬など、様々な風景が楽しめる美しい景勝地として知られています。

    一方、半島内部は丘陵地帯が多いのが特徴で、白米千枚田(輪島市)が非常に有名です。

     

     

    能登には、「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」という日本で唯一のドライブできる砂浜があります。
    天気が良い日は、とても開放的で最高のドライブを楽しめますよ。

    能登地方といえば、連続テレビ小説「まれ」の舞台でもあります。
    希たちが出店していた輪島朝市では、地元で取れた海産物や、工芸品「輪島塗」などが並びます。
    港町であると同時に、日本でも有数の漆器の生産地としての顔も持つ、魅力あふれる町ですね。

    「能登」をボードゲームで味わおう!

    「ごいた(Goita)」は、約150年前に石川県の能登地方で生まれた伝統的なボードゲームです。
    明治時代に、承認であり、発明家の「布浦清右エ門」という人が考案したと伝えられています。
    将棋に似たコマと盤を用いますが、2人でペアを組んで4人で対戦するのが特徴です。

    ごいたは「し」「香」「馬」「金」「銀」「飛」「角」「王」の8種類のコマを用いて行います。

    2人ペアのどちらか1人が、持っている8枚の駒を全て出せたら勝ちとなります。

    ごいたは、2008年に能登町の無形文化財に登録されて以降、インターネットなどを通じて、日本全国に広まっていきました。

    現在では、プレイ人口が1万人を超え、日本各地に保存会があるほどです。

    宇出津港いやさか広場に、ごいたの駒を模したモニュメントが設置され、町としてもPRしています。

    原題:ごいた 作者:布浦清右エ門 ※諸説あります 発売年:-
    時間:30分 年齢:10歳~

     

     

    ボードゲームで日本文化や歴史を学ぼう!

    今回は、日本の文化や歴史に関する基礎知識をおさらいした上で、関連するボードゲームを紹介しました。

    これまで、意外と知らなかった「日本の文化や歴史」を知ることができたでしょうか?

    ボードゲームで遊びながら、日本についても理解を深まるといいですね!

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