
ボードゲームをやっていると、知らない背景や文化を知るきっかけとなり、知識が広がることってありませんか?
ボードゲームには、映画や絵画、小説などと同様に、様々なテーマや題材があります。
なかでも、国や土地、文化に関するものは数多く出版されています。
今回は、世界遺産をテーマにしている主要なボードゲームをまとめました。
世界遺産から入るもよし、ボードゲームから入るのもよし。
世界遺産とセットで紹介するので、ボードゲームを通して世界各国の世界遺産をめぐりましょう。
歴史的城塞都市カルカソンヌ(フランス) / カルカソンヌ (Carcassonne)
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カルカソンヌは、フランス南西部の都市である。
その中で、城壁に囲まれた部分が、「歴史的城塞都市カルカソンヌ」の名称で世界文化遺産に登録されている。(1997年)
二重に城壁が張られた難攻不落の城として知られるヨーロッパ最大級の城塞都市。
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要塞都市カルカソンヌの世界で、城や道を作りながら、点数を稼ぐゲーム。
fa-arrow-circle-right関連記事大定番ボードゲーム「カルカソンヌ」のルール、遊び方、魅力を解説!
原題:Carcassonne | 作者:Klaus-Jurgen Wrede | 発売年:1996年 |
人数:2~5人 | fa-clock-o時間:30~45分 | fa-user-plus年齢:12歳~ |
ノートルダム大聖堂(フランス) / ノートルダム (Notre Dame)
ノートルダム大聖堂は、フランス・パリのシテ島にあるローマ・カトリック教会の大聖堂。
ゴシック建築を代表する建物であり、1991年に世界文化遺産に登録された。
2019年4月に大規模火災により、尖塔など一部が消失。現在、再建中。
「ノートルダム (Notre Dame)」は、ノートルダム大聖堂周辺の一族の家長となり、名声を競うドラフトゲーム。
当時のパリに流行した病気であるペストと戦いながら、ノートルダム大聖堂の建設などを行って点数を獲得していく。
プレイ人数により形が変化するプレイボードが美しいのも魅力。
原題:Notre Dame | 作者:Stefan Feld | 発売年:2007年 |
人数:2人~5人 | fa-clock-o時間:45分~75分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
アルハンブラ宮殿(スペイン) / アルハンブラの宮殿 (Alhambra)
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スペインのグラナダに建造されたアルハンブラ宮殿は、13世紀に建造されたイスラーム王朝ナスル朝の王宮。
イスラーム文化を代表する建造物であり、1984年に世界文化遺産に登録された。
城塞としての役割を果たしており、内部には、住居や庭園、官庁、学校などが備えられていた。
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「アルハンブラの宮殿 (Alhambra)」は、そんなアルハンブラ宮殿をテーマとしたタイル配置系ボードゲーム。
城塞としての役割を果たした実際のアルハンブラの宮殿のように、
庭園、住居など様々な種類のタイルをつなげて自分の宮殿を作っていき、その得点を競います。
2003年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞。
原題:Alhambra | 作者:Dirk Henn | 発売年:2003年 |
人数:2~6人 | fa-clock-o時間:45~60分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
マラケシュの旧市街(モロッコ) / マラケシュ (Marrakech)
マラケシュはモロッコの中央部に位置する都市。
旧市街には、ジャマ・エル・フナ広場や巨大マーケットの他、クトゥビアの塔、バビア宮殿、サアード朝の墳墓群など建築物も立ち並ぶ。
1985年に世界文化遺産に登録された。
「マラケシュ (Marrakech)」は、広場の北側に位置する巨大マーケットをテーマにしたすごろくゲーム。
自分の商店の敷地を拡大し、他プレイヤーから多くのお金をもらうことを目指します。
原題:Marrakech | 作者:Dominique Ehrhard | 発売年:2007年 |
人数:2人~4人 | fa-clock-o時間:30分 | fa-user-plus年齢:6歳~ |
サンクトペテルブルク(ロシア) / サンクトペテルブルク (Sankt Petersburg)
サンクトペテルブルクは、モスクワに次ぐロシア第2の都市であり、歴史地区と関連建造物群が1990年に世界文化遺産に登録されている。
エカテリーナ2世の時代に収集された数千点もの美術品が保管されているエルミタージュ美術館や、
金色に輝く屋根の聖イサアク大聖堂など、多数の美しい建造物が残る。
「サンクトペテルブルク (Sankt Petersburg)」は、サンクトペテルブルクの街を発展させる拡大再生産系のゲーム。
職人、建物、貴族、アップグレードといった4種類のカードを購入し、お金と勝利点を稼ぐ。
前述のエルミタージュ美術館の他、ピョートル大帝や、天文台といったサンクトペテルブルクを代表するカードが多数あり、興味をそそる。
原題:Sankt Petersburg | 作者:Bernd Brunnhofer | 発売年:2004年 |
人数:2人~4人 | fa-clock-o時間:45分~60分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
サン・ファン(アメリカ) / サンファン (San Juan)
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サン・ファンは、アメリカ合衆国プエルトリコ島の北東部に位置する市である。
16世紀頃、新大陸進出で重要な港であったプエルトリコは、列強他国からの干渉や攻撃を守るために島全体が要塞のようになっており、
旧市街全体が、歴史地区として世界遺産に登録されている。(1983年、世界文化遺産)
なお、「プエルトリコ」は島を、「サン・ファン」は都市を指す。
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「サンファン (San Juan)」は、作物を栽培し港で輸出し得点を稼ぐゲーム。
歴史的名作「プエルトリコ」のカードゲーム版として知られる。
重量系ゲームのプエルトリコと比較し、サンファンでは、より気軽にプレイできるのがよい。
下はプエルトリコのボード。
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原題:San Juan | 作者:Andreas Seyfarth | 発売年:2004年 |
人数:2人~4人 | fa-clock-o時間:45~60分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
イエローストーン国立公園(アメリカ) / イエローストーン (Yellowstone Park)
イエローストーン国立公園は、アメリカ合衆国のワイオミング州・モンタナ州・アイダホ州の3州にまたがる国立公園。
間欠泉や温泉が多数存在する他、広大な敷地の中に素晴らしい自然が残されている。
1978年に世界自然遺産に登録された。
なかなか過酷な世界のイエローストーン国立公園。#ボードゲーム pic.twitter.com/FgmA6IEcEr
— テクリス (@teclis0609) March 7, 2015
「イエローストーン (Yellowstone Park)」は、イエローストーン国立公園内に住む動物をテーマとしたボードゲーム。
動物たちを監視し、逃げ出すことのないように管理することを目的とします。
数字と色が書かれた動物カードを、縦横のラインの条件に合うように配置するというシンプルなルールながら面白い。
原題:Yellowstone Park | 作者:Uwe Rosenberg | 発売年:2003年 |
人数:2人~5人 | fa-clock-o時間:45分~55分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
⇒イエローストーン国立公園のツアーをJTBでチェックしてみる
ラパ・ヌイ国立公園(チリ) / イースター島 (Die Osterinsel)
ラパ・ヌイ国立公園は、チリ領・イースター島の中にある国立公園。
1995年に世界文化遺産に登録されている。
イースターと言えば、やはり石像モアイ。
10世紀から16世紀にかけて作られたと言われているが、どうやって製作したか、どのように運んだのか、など謎に満ちた存在である。
「イースター島 (Die Osterinsel)」は、モアイのコマに小石を入れて行うレースゲーム。
ボードゲームのコマとしては非常に大きいこと、さらに、本物の小石を使用することがこのゲームの特徴。
上位2位のうち、小石の数が多い人が勝ちであり、速さを取るか、重さを取るかが悩ましい。
原題:Die Osterinsel | 作者:Leo Colovini、Alex Randolph | 発売年:1994年 |
人数:3人~4人 | fa-clock-o時間:30分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
ティカル国立公園(グアテマラ) / ティカル (Tikal)
ティカル国立公園はグアテマラにあり、マヤ文明の最大かつ最古の都市遺跡。
約300年前に、スペイン人の神父が、ジャングルの中に迷い込み、偶然見つけたと言われている。
1979年に世界複合遺産に登録された。
複合遺産とは、文化遺産と自然遺産の登録基準のうち、1項目ずつ以上が満たされた遺産であり、
ティカル国立公園は、エキゾチックな遺跡と美しい自然が共存する貴重な世界遺産である。
「ティカル (Tikal)」は、ジャングルを開拓し、神殿を調査していき、遺跡や財宝の点数を競うゲーム。
遺跡を探検するというテーマのワクワク感に加え、アクションポイントによる行動システムを導入したという点でも画期的なゲームである。
1999年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作。ぜひプレーしたい。
原題:Tikal | 作者:Wolfgang Kramer、Michael Kiesling | 発売年:1999年 |
人数:2人~4人 | fa-clock-o時間:90~120分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
ヴェネツィアとその潟(イタリア) / ベニス・コネクション (Venice Connection)
ヴェネツィアはイタリアの北東部に位置する都市であり、水の都として有名。
中世にはヴェネチア共和国として繁栄した。
「ヴェネツィアとその潟」の名で1987年に世界文化遺産に登録されているが、
文化遺産の登録基準6つをすべて満たす数少ない世界遺産の一つである。
「ベニス・コネクション (Venice Connection)」は、水の都ヴェネチア(ベニス)を舞台に、水路の完成を目指す2人用のゲーム。
プレイヤーは1~3枚のタイルを配置していき、水路の環を完成させるか、完成しないことを先に予想すれば勝利となる。
気軽に遊べるのに加え、遊んだあとの運河が美しいのも魅力。
原題:Venice Connection | 作者:Alex Randolph | 発売年:1996年 |
人数:2人 | fa-clock-o時間:10分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
マチュピチュ(ペルー) / マチュピチュの王子 (Die Prinzen von Machu Picchu)
マチュピチュは、ペルーのウルバンバ谷の山の上にある15世紀のインカ帝国の遺跡。
マチュ・ピチュの歴史保護区として、1983年に世界複合遺産に登録された。
インカ帝国時代の遺跡としては保存状態が良く、また周辺の自然環境が美しく、貴重な動植物が生息する世界遺産である。
原題:Die Prinzen von Machu Picchu | 作者:Mac Gerdts | 発売年:2008年 |
人数:2人~5人 | fa-clock-o時間:90分 | fa-user-plus年齢:12歳~ |
メンフィスとその墓地遺跡(エジプト) / アメン・ラー(Amun-Re)
メンフィスとその墓地遺跡は、エジプトの都市遺跡メンフィスと、ナイル川西岸にある墓地遺跡群を指しており、数々のピラミッドを含む。
「メンフィスとその墓地遺跡 - ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」として、1979年に世界文化遺産に登録された。
ピラミッドは、巨大な王の墓であるが、ギザの三大ピラミッド(クフ王、カフラー王、メンカウラー王)が特に有名。
最大のクフ王のピラミッドでは、高さが約137mもあるが、その建設方法は未だ解明しきれていない。
原題:Amun-Re | 作者:Reiner Knizia | 発売年:2003年 |
人数:3人~5人 | fa-clock-o時間:90分 | fa-user-plus年齢:12歳~ |
ボードゲームで世界遺産を味わおう!
今回は、世界遺産をテーマにしたボードゲームを世界遺産とセットでご紹介しました。
ボードゲームには様々なテーマがありますが、題材になった側を知ると、よりボードゲームが楽しめるのではないでしょうか?
今回取り上げた以外にも世界遺産のボードゲームはあると思うので、ぜひ探してみてくださいね。
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