2018年、彗星のごとく現れ、その名を広く轟かせたボードゲームデザイナーがいました。
彼の名は、「ヴォルフガング・ウォルーシュ(Wolfgang Warsch)」。
ボードゲーム界でもっとも権威のある賞のひとつ「ドイツ年間ゲーム大賞」になんと3作品も同時にノミネートされたのです。
そして、そのうちの一つ「クアックサルバー」では見事エキスパート部門で大賞を受賞しています。
今回はそんな天才デザイナー「ヴォルフガング・ウォルーシュ氏」を代表作とともにご紹介します。
今すぐにプレイしたくなる作品ばかりですよ!
ヴォルフガング・ウォルーシュ(Wolfgang Warsch)
2018年、一気にその名をボードゲーム界に轟かせたボードゲームデザイナー。
1980年オーストリアの聖パンタレオン生まれ。ウィーンで微生物学と遺伝学を学び、現在はがん研究に携わっている。
もともと子供の頃は、モノポリーなどの有名な古典ゲームをプレイすることはあれ、ボードゲームへの興味がそこまで強いわけではなかった。ボードゲームを作るようになったのは2012年頃からであるが、はじめはパーティゲームを中心にデザインしていた。
そして、来たる2018年、ドイツ年間ゲーム大賞に「ザ・マインド」が、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞に「クアックサルバー」と「ガンシュンクレバー」がノミネートされるという大フィーバー。同一デザイナーのゲームが多数ノミネートされるのは異例。天才との呼び声も高い。
代表作は、上記の3ゲームに加え、「イリュージョン」、「富士-脱出-」、「ティーフェンタールの酒場」など。
ヴォルフガング・ヴァルシュという表記も。
ヴォルフガング・ウォルーシュ氏
ザ・マインド (The mind)
一人ひとりに配られたカードを数字が小さい順にみんなで場に出していく協力ゲーム。
ただそれだけ。単純明快。
ただし、重要なルールがもう一つ。
それは、言葉やジェスチャーによるコミュニケーションが取れないこと。
1分で説明が終わり、次の1分で、その面白さに気づくことでしょう。
ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた良ゲーム。
成功しても失敗しても、その後の振り返りで会話が盛り上がります。
ダウンタウンのガキ使でも紹介されました。
50歳オーバーの出演者さんたちでも、すぐに楽しめるのはいいですよね。
原題:The mind | 作者:Wolfgang Warsch | 発売年:2018年 |
人数:2~4人 | fa-clock-o時間:15分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
クアックサルバー(Die Quacksalber von Quedlinburg)
クアックサルバーは、自分の袋の中身を構築するバックビルディング系のゲーム。
バックビルディングとは、わかりやすく言うと、袋の中に好きなものを入れて、くじ引きの確率を操作するイメージです。
袋の中からは好きなだけのチップを引くことができますが、引いた白チップの合計が8以上になったらバーストしてペナルティとなってしまいます。
すなわちチキンレースですね。勝負でもう一枚引くか、着実にキープするかが迷いどころです!
クアックサルバーは、チップの種類が豊富で、それぞれ独自の効果を持っています。
また、シナリオも4種類あり、ゲーム性が変わるため、リプレイ性が高く、何度も楽しめる名作の一つ。
ドイツ年間ゲーム大賞 エキスパート部門大賞受賞作でありながら、比較的ルールがわかりやすいのも大きな魅力。
重量級ゲームへの入り口にちょうどよいですね。
原題:Die Quacksalber von Quedlinburg | 作者:Wolfgang Warsch | 発売年:2018年 |
人数:2~4人 | fa-clock-o時間:45分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
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クアックサルバーが受賞したドイツ年間ゲーム大賞は、ボードゲーム界で最も権威のある賞の一つです。概要と歴代の受賞作をこちらでチェックしてみましょう!
ガン・シュン・クレバー(Ganz schön clever)
ガン・シュン・クレバー(ガンツ・シェーン・クレバーとの表記も)は、紙とペンを用いて遊ぶダイスゲーム。
ダイスの出目を紙にマークしていき、ビンゴのように一列を揃えたりして、得点の獲得を目指します。
用いるダイスは、青、黄色、緑、紫、橙、白の6色。
そしてシートに、各ダイスの色に対応するエリアがあり、その部分を埋めていきます。
原題:Ganz schön clever | 作者:Wolfgang Warsch | 発売年:2018年 |
人数:1~4人 | fa-clock-o時間:30分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
イリュージョン(Illusion)
イリュージョンは、赤・黄・青・緑の4色で構成されるカードを用いて遊ぶゲームです。
カードに描かれている「色の面積」を頭の中で比較し、前の人よりもその色の面積が広いと思うカードを昇順に出していきます。
前の人が、昇順に出せていないと思ったらダウトをします。
ダウトがあるのですが、嘘をついたりするブラフ要素はほぼありません。
自分の色の面積を見極めるセンスを研ぎ澄ませましょう。
普段あまり使わない感性を研ぎ澄ませるので、新鮮な気分になるでしょう。意外な人が強いゲームかも!?
原題:Illusion | 作者:Wolfgang Warsch | 発売年:2018年 |
人数:2~5人 | fa-clock-o時間:15分 | fa-user-plus年齢:8歳~ |
ティーフェンタールの酒場(Die Tavernen im Tiefen Thal)
ティーフェンタールの酒場は、酒場のマスターとなり、自らの酒場を発展させるデッキ構築ゲームです。
稼いだお金でお店を拡大し、よりお金をたくさん使ってくれる常連客を増やすことが目的です。
一言にお店を拡大と言っても、投資先は様々です。
テーブルを増やしてお客さんのキャパを増やしたり、ビールの貯蔵庫を拡大したり、ウエイトレスを雇ったり、洗い場を改良したりと選択肢は多岐にわたります。
単なるデッキ構築でないのが、ティーフェンタールの酒場の面白いところ。
行うアクションは、ダイスを用いて決めます。
ダイスの目をドラフト形式で取り合い、各プレイヤーがダイスを配置し、それに応じたアクションを行っていきます。
原題:Die Tavernen im Tiefen Thal | 作者:Wolfgang Warsch | 発売年:2019年 |
人数:2~4人 | fa-clock-o時間:60分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
富士 -脱出-(Fuji)
「富士 -脱出-(Fuji)」は、参加プレイヤーが協力して、噴火する富士山からの脱出を目指す協力ダイスゲームです。
各プレイヤーは、それぞれが目隠しの向こう側でダイスを振り、移動したいマスを宣言します。
そのマスで指定されたダイス目が、隣のプレイヤーよりも大きくないと移動することができません。
全員が思い通りに動けることは少なく、我先に逃げようとすると、足の引っ張り合いになってしまいます。
マップは7種類あり、レベルも1〜4と幅があります。
繰り返しチャレンジしたり、プレイヤーのレベルによって変えたりとバリエーションを持って楽しむことができますね。
コンポーネントは、アーティスティックな感じです。
ダイスの目隠しに、ターンの流れが書かれているのでわかりやすいですね。
原題:Fuji | 作者:Wolfgang Warsch | 発売年:2018年 |
人数:2~4人 | fa-clock-o時間:30~60分 | fa-user-plus年齢:10歳~ |
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ヴォルフガング・ウォルーシュ氏のゲームをプレイしよう!
今回は、2018年、彗星のごとく現れ、その名を広く轟かせたボードゲームデザイナー「ヴォルフガング・ウォルーシュ(Wolfgang Warsch)」氏を代表作とともにご紹介しました。
「ドイツ年間ゲーム大賞」にノミネートされた3作品はもちろん、それ以外にも遊びごたえたっぷりの魅力的なゲームを発表していますので、是非プレイしてみてください。
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